手の皮がむけるのは病気?子供に多い溶連菌感染症とは。

手の皮がむけるのは病気?子供に多い溶連菌感染症とは。

手の皮がむける病気には様々なものがあります。

大人の場合、手湿疹やアレルギー性接触皮膚炎などが代表的ですね。

しかし子供の場合、溶連菌感染症など決して見逃してはいけない病気であることもありますよ。

A群溶血性レンサ球菌(化膿性レンサ球菌)による感染症を指し、川崎病や泉熱など他の病気の可能性を指摘されることもある難しい病気です。

特に子供に多い感染症で、発熱やイチゴ舌、手の発疹(皮疹)で手の皮がむけるなどの症状が似ていることがその理由です。

また大人がかかることもあり、「人食いバクテリア感染症」とも呼ばれる劇症型溶血性レンサ球菌感染症などの重症例も報告されていますので注意が必要です。

今回は、溶連菌感染症とその合併症、また川崎病、泉熱といった紛らわしい病気についても解説していきましょう。


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手の皮がむけるのは病気?

手の皮がむけるのは病気?

手の皮がむける原因には様々なものが考えられますね。

大人の場合だと、手湿疹が代表的なものです。

水仕事が多く洗剤などの刺激に頻繁に触れる方に多く見られ、「主婦湿疹」とも呼ばれますね。

小さなぶつぶつ(丘疹)が出来た後に皮がむけるのは、角質が剥がれ落ちる鱗屑(りんせつ)という症状です。

その他にも手の皮がむける皮膚病がありますのでまとめてみましょう。

【大人の手にできる湿疹】

  • 手湿疹(主婦湿疹)
  • アレルギー接触皮膚炎:アレルゲン(金属や化学物質、植物など)が接触して赤くかぶれたり水泡ができたりする
  • 異汗性湿疹(汗疱):手の指や掌面に水泡(水ぶくれ)ができ水泡が破れて鱗屑(皮がむける)となる
  • 掌蹠膿疱症:掌面から手首にかぶれや水泡、膿疱(ウミがたまる)ができて鱗屑となる(※手湿疹とは区別される)
  • 手白癬(水虫):手にできる水虫で、足や爪にもできていることが多い(※手湿疹とは区別される)

主婦湿疹では、手袋の着用やハンドクリームで保護するかステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬での治療が行われます。

アレルギー接触皮膚炎では、アレルゲンを特定するパッチテストが行われ、アレルゲンを避ける他、同じくステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬での治療が行われます。

異汗性湿疹(汗疱)と掌蹠膿疱症については、原因不明とされ、細菌感染やアレルギー、ストレスの関与が指摘されていますよ。

自然に治らない場合は、やはりステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬での治療が行われます。

また水虫は足にできるイメージが強いですが手にできることも意外に多いようですね。

足や爪にもできていることが多いので注意が必要です。

手の症状では、ひどいかゆみを伴って夜眠れなかったり、悪化して感染したりすることもあります。

また見た目も気になって人前に出るのもつらくなりますね。

早いうちに皮膚科で診断を受けましょう。

続いて子供に多い手の症状について見てみましょう。

【子供の手の皮がむける原因】

  • 冷たい水や洗剤の刺激でかゆみを感じて皮膚をかき壊す
  • アレルギー性接触皮膚炎
  • 白癬(水虫)
  • ストレスに対する反応で「かき癖」がつく
  • 溶連菌感染症などの病気

子供の場合も大人と共通する原因で症状が表れることがあります。

同じように水や洗剤によって皮脂(皮膚のバリア機能)が失われたり、アレルギーに起因する場合が多いようですね。

しかし発熱やのどの痛みが見られたら重大な病気が隠れているかもしれません。

最後に挙げた「溶連菌感染症」などの病気は、単なる風邪とは異なり、重篤な疾患に進行する場合もありますよ。

決して見逃さないでくださいね。

子供に多い溶連菌感染症の症状とは

子供に多い溶連菌感染症の症状とは

溶連菌(溶血性連鎖球菌)感染症とは、主に化膿性レンサ球菌によって引き起こされる感染症すべてを指します。

2~3歳から小学校までの子供に多い感染症ですね。

飛沫感染や接触感染で広がるため、幼稚園(保育園)や小学校、家庭内で感染の可能性がありますよ。

数日間の潜伏期間を経て発症します。

主な症状をまとめてみましょう。

しかしこれらの症状がすべて揃うとは限らず、はっきりしないこともあるので注意が必要です。

【溶連菌感染症の症状】

  • 手足、顔(全身)の発疹:かゆみを伴う発疹ができる(手の平や指のまたから始まることも)
  • 手足の皮がむける(皮膚落屑):発熱や咽頭・扁桃腺の炎症の回復期
  • 発熱や咽頭・扁桃腺の炎症:赤く腫れて、痛みを伴う
  • イチゴ舌:イチゴ様の赤くぶつぶつした舌がみられる
  • とびひ(伝染性膿痂疹):発疹などを掻き壊した後に溶連菌(黄色ブドウ球菌なども)が感染して膿疱が拡がる

この中でイチゴ舌は、後述の川崎病や泉熱にも共通する症状で、特徴的なものですので押さえておきましょう(画像参照)。

溶連菌感染症は、抗生物質での治療で完治するとされています。

でも抗生物質(ペニシリン系)が効きにくいタイプも存在するため、他の種類が必要になる場合もあるようです。

また菌が体内に残っていると合併症につながる場合もありますよ。

抗生剤の服用や通院を自己判断で止めるのは禁物です。

合併症には重篤なものが多く、治療も長期化するので軽く考えないことが肝心ですね。

【溶連菌感染症の合併症】

  • 劇症型溶血性レンサ球菌感染症:壊死性筋膜炎、毒素性ショック症候群
  • 猩紅熱:溶連菌の毒素に対する免疫アレルギー疾患で発熱、発疹、イチゴ舌が特徴
  • リウマチ熱:心筋炎、多関節炎、発疹、皮下結節、不随意運動(舞踏病)が主症状であるリウマチ性疾患
  • 血管性紫斑病:四肢の皮下出血、浮腫、腹痛、嘔吐が見られる
  • 急性糸球体腎炎:血尿、浮腫、高血圧が主症状である
  • 掌蹠膿疱症:手掌や足底に膿疱が出現し、寛解と増悪を繰り返す
  • 蜂窩織炎

長期化させないように早期発見、早期治療を心がけましょう。


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劇症型溶血性レンサ球菌感染症は人食いバクテリアとも呼ばれる

劇症型溶血性レンサ球菌感染症は人食いバクテリア

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(壊死性筋膜炎)は、人食いバクテリア感染症とも呼ばれる最も重篤なタイプです。

高熱、四肢末端部の壊死、局所の腫脹・疼痛が主症状のとても恐ろしい病態です。

壊死は指先や足先といった末端部から起こることが特徴で、数10分から1時間の間に数cmの速さで壊死が進行した例も報告されています。

外傷や熱傷などによる皮膚損傷の場合が最も発症リスクが大きく、敗血症により多臓器不全を起こすこともあるため早期の処置が必要です。

毒素性ショック症候群も、劇症型溶血性レンサ球菌感染症に分類されます。

溶連菌が血液中に放出した毒素に対する免疫アレルギー反応で、急性ショックの後に多臓器不全に陥る病態です。

抗生物質では対応できず、持続的血液ろ過透析や血漿交換が必要となります。

症状が似た病気と間違えられることも

手の皮がむけるのは他の病気かも

「川崎病」と「泉熱」は溶連菌感染症と症状が似ているため、誤診されることもある病気です。

症状だけではなく、いずれも子どもに多いという点でも共通しています。

混乱しないためにも整理してみましょう。

【川崎病】

  • 好発年齢:4歳以下(80%以上)の発症が多く、男の子がやや多い
  • 原因:原因不明であるが何らかの感染の可能性が指摘されている
  • 病態:全身の血管が炎症を起こす
  • 症状:5日以上の発熱(38℃~高熱)、イチゴ舌、両目の充血、全身の発疹、手足の赤み・腫れ、リンパ腫
  • 合併症:心疾患:冠動脈障害、冠動脈瘤、心筋梗塞、心不全
  • 治療法:免疫グロブリン療法(全身の血管の炎症を抑える)、アスピリン療法(血栓の予防)、ステロイド療法
  • 注意点:風邪や他の感染症(溶連菌感染症、泉熱)との誤診も
【泉熱】

  • 好発年齢:小・中学生に多くみられる
  • 原因:エルシニア菌(潜伏期間:1週間から10日)
  • 感染経路:小動物の糞尿によって伝播され、生水(井戸水・湧水)や食べ物を介して感染する
  • 症状:発熱、手足の発疹、腹痛、嘔吐、手や指の皮がむける(回復期)、イチゴ舌など
  • 注意点:エルシニア菌は冷凍された食品でも生存可能、溶連菌感染症、川崎病との誤診も

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