アニマルセラピーに最適な動物の種類!犬と猫ではどちらが効果的?

犬や猫などを飼っている方は、すでのお分かりのことでしょう。
動物と触れ合うことでとてもリラックスした時間を過ごせますよね。
イライラしていたり、家族との関係がギクシャクしている時もそばに動物いると和みます。
それは動物が人間に癒しを与えているからなんですね。
この癒しの効果を医療の分野に取り入れたのが「アニマルセラピー(ペットセラピー)」なのです。
これには犬や猫、ウサギ、馬、イルカなど、人間と喜怒哀楽を共有できるような感情豊かな哺乳類が主に用いられています。
アニマルセラピーにはどのような効果が期待できるのでしょうか?
一緒にみていきましょう。
アニマルセラピーがもたらす効果は3つ
アニマルセラピーがもたらす効果は大きく分けて3つに分類されます。
ホルモンや神経系、脳内の神経伝達物質の分泌に変化が生じることで生理的な効果が得られます。
そのため「気持ちが落ち着く」、「心が癒される」といった効果が期待できます。
また血圧が安定しリラックスした状態が作られるとも言われます。
【心理的効果】
動物と触れ合うことで、感情や行動面に変化が表れます。
「楽しかった」、「また触れ合いたい」などの感情がうつ症状の改善に効果があると言われます。
また意欲の向上が免疫力の向上にもつながり、病気の回復を早めることもあります。
更に不登校児の心を前向きにする効果もあるようです。
【社会的効果】
動物と接することは、人間同士の交流も円滑にします。
内気な子や、引きこもりの子が、動物と触れ合う事で他者と交流を持つきっかけになるようです。
一人っ子の家庭では、動物を飼うことで責任感を学ばせたり,主体的に自分以外のものを助けるという経験をさせることができます。
また孤独だった人が犬や猫と暮らすことで、周りの住人たちと会話できるようになったとする事例も数多く存在します。
アニマルセラピーに適している動物とは?
アニマルセラピーに適していると言われる動物たちを紹介しましょう。
馬を用いたセラピーは、乗馬療法として古代ギリシャ時代から続く長い歴史を持っています。
スポーツやレクリェーションとしてだけでなく、教育やコミュニティの構築など様々な分野に応用が可能であるため、心身両面への効果が期待されます。
【イルカ】
人間とイルカが一緒に泳ぐことで自閉症やうつ病に効果があるとされています。
精神障害をもった人に対する治療法として注目され、最近ではガンや交通事故の後遺症などのメンタルケアにも効果が期待されています。
【鳥類】
鳥を用いたセラピーは、脳梗塞などで脳に障害を持つ人に有効とされています。
お喋りが上手な大型インコやオウムとの関わりが脳を活性化させると言われます。
【犬】
犬は人の気持ちを察することができ、指示にも従順に従えることから認知症を患っている高齢者の自信を回復させます。
また人を否定することがないため、精神の安定や生きる意欲の向上にもつながると言われています。
犬は高度に訓練することが可能であることから最も信頼できる存在かもしれません。
盲導犬や聴導犬、介助犬などが活躍していることからもその実力は証明済みです。
【猫】
猫と触れ合う事でストレスの軽減につながるとされています。
また猫好きはうつなどの精神疾患のリスクが減少すると言われています。
【うさぎ】
うさぎは引きこもりや不登校の子供がいる家庭に効果があるとされています。
うさぎを共同で飼育することで家族との関係改善に役立ったとする事例も報告されています。
アニマルセラピーは様々な人の癒しに効果的だった
続いてアニマルセラピーの効果が期待できる対象を紹介します。
- 子供:一人っ子、不登校児、非虐待児、親がいない子供など
- 高齢者:独居、老人ホームに入居中の高齢者、認知症の高齢者
- 終末期の患者:がん、エイズ患者など
- 事故や病気のメンタル面のケア
- 先天性疾患:精神遅滞、ダウン症、自閉症、脳性マヒなど
- 身体障がい者:視覚、聴覚、言語障害、肢体不自由、てんかん患者など
- 精神障がい者:統合失調症、両極性障害など
- 犯罪者:刑務所などでのケア
アニマルセラピーで犬と猫ではどちらが効果的?
アニマルセラピーは様々な方々にとって効果的です。
しかし馬やイルカなどはコストも高くあまり身近な存在とは言えません。
私たちにとって最も身近な存在はやはり犬と猫でしょう。
犬と猫ではどのような違いがあるのでしょうか?
犬から得られる効果とは
【ストレスの軽減】
犬と暮らす人はストレスが少ないとされています。
それは犬と接すると「オキシトシン」という、ストレスを軽減する「幸せホルモン」が分泌されるからだと言われています。
【認知症症状の緩和】
犬を触ったり、逆に舐められたりすることで、感覚が刺激され、意識レベルの改善が図られると言われています。
またリラックスすることで焦燥感(イライラ)や睡眠障害が解消することが報告されています。
継続することで認知症の方の行動面の安定(問題行動の減少など)にもつながります。
【健康増進(体力向上)】
運動は自分のために一人で続けるのはなかなか大変なものです。
でも犬と一緒に散歩することで習慣化することができます。
また中型・大型犬では、1日に数時間の運動が必要になる犬種もあるため、十分な運動量が確保できます。
【コミュニケーションの向上】
犬を散歩させていると、ご近所の方と顔を合わせることが多くなり自然に会話が増えていきます。
また散歩させている同士であればなおさらです。
犬が共通の話題になり、新しい付き合いが始まることも多いようです。
猫から得られる効果とは
【血圧の改善】
人間はストレスを感じ始めると「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。
このコルチゾールは糖質やたんぱく質、脂質やカルシウムなどの代謝を助けるホルモンです。
しかしストレスが長期化すると過剰に分泌され、副腎の負荷から高血圧症になりやすくなると言われます。
猫とのスキンシップをはかることで、このコルチゾールの量が抑制され、血圧安定の効果が得られるとされています。
また高血圧症の予防・改善により、心臓疾患や脳卒中のリスクも軽減されることが報告されています。
【免疫力の向上】
猫が気持ちいい時に出す「ゴロゴロ音」は、不安を和らげ、ストレスを抑える効果があることから、免疫力の向上が期待されています。
元々「ゴロゴロ音」は、猫自身のケガや病気の回復に効果があるとされてきましたが、人間が聞いても同様の効果が認められるようです。
いかがでしたか?
セラピーに関わる犬や猫、またうさぎは品種が決められているわけではありません。
しっかりとしたしつけがなされており、吠えたり怒ったり攻撃的な態度をとらないこと。
また人に慣れていて警戒心を持たず、急に触られたり抱っこされても怯えないなどの適性は必要です。
一時的な訪問ではなく実際に飼育する場合もおとなしくしつけしやすくて飼いやすいことが条件になるでしょう。
- 犬:ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー
- 猫:ラグドール、バーマン
- うさぎ:ホーランドロップ
アニマルセラピーは何も特別なことではありません。
動物を家族として迎え、愛情を注ぐことから自然に得られている「癒しの効果」なのかもしれませんね。