正しい座り方は骨盤が決め手。デスクワークの姿勢改善で腰痛を予防しよう!

腰が痛くて仕事に集中できない。
同じ姿勢が長く続けていられない。
こんな方が多いのではないでしょか?
デスクワークはもちろん、車の運転や日常生活の様々な活動まで大きく制限してしまうのが腰痛ですよね。
腰痛の予防と解消には「正しい椅子の座り方」がとても大切になりますよ。
その基本になるのは「骨盤の位置と脊柱の関係」なのです。
なるべく簡単にお話ししましょう。
少しだけお付き合いくださいね。
正しい骨盤の位置と脊柱の関係とは
脊柱(頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個)は横から見るとS字形になっていますね。
首のところで前方に弯曲、背中で後方に弯曲、腰のところで前方に弯曲。
このS字形がスプリングの機能を果たすことで上半身を支えているんですね。
またこの大切な脊柱を支えているのがその下にある骨盤なんです。
この骨盤の位置によって脊柱の形は大きく変わってしまいます。
脊柱の形が崩れると上半身の重みを支えることができなり、腰痛や肩こりを起こしてしまうんです。
だから骨盤と脊柱の関係はとても大切なんですね。
ではどのようなことを心がければよいのでしょうか?
正しい椅子の座り方とは
骨盤は、腸骨、恥骨、座骨、仙骨、尾骨の5つの骨で構成されています。
仙骨と尾骨は骨盤というより、脊柱の一部なので仙骨・尾骨までが脊柱と考えますよ。
この仙骨を両側の腸骨が挟み(仙腸関節)、脊柱を支える形になっていますね。
そして左右の腸骨を前方と下方でしっかりつないでいるのが恥骨(前方)と座骨(後方)なんです。
正しい座り方とは、一番下の「座骨」が椅子の座面にしっかり付いて、体重がのっている状態を言います。
正しく座ることで骨盤がまっすぐに立ち、腰椎の前弯が保たれます。
さらに上部の胸椎、頸椎の弯曲(S字型)を保つことが出来るのです。
座骨(sitting bone)と言われる所以ですね。
逆に悪いのは骨盤が後ろに倒れ、仙骨が椅子の座面に付いている状態です。
通称「仙骨座り」と言われていますね。
この場合、座っているとは言えず、寝ていて上半身だけ起こしているのと同じことになりますよ。
こうなると脊柱は前に倒れ、S字型は損なわれ、頭も前方に突出してしまいます。
頭は体重の1/10ほどの重さですから、体重が50kgの人でも5kgはある計算です。
ボーリングの球に例えると、1ポンドあたり453.6gなので11ポンドの球にあたりますね。
あの重たいボーリングの球を想像してもらえれば、お分かりになることでしょう。
首や肩、そして上半身全体を支えている腰に大きな負担がかかることになりますよ。
また怖いのはこれが癖になり、立っているときや歩いているときもこれに近い姿勢が続いてしまうことなんです。
そうならないためにも1日数回、正しい姿勢にリセットしてみましょう。
やり方は以下の通りです。
正しい座り方で姿勢をリセットしよう
1日数回行うのが良いでしょう。
以下に正しい座り方のコツをまとめてみました。
- 座骨を椅子の座面にしっかりと付けて体重をのせる。
- 腰椎の弯曲を意識する。
- へその下(丹田)に軽く力を入れる。
- 肩の力を抜き、あごを少し引く。
- 頭のてっぺんから糸が出ていて、天井の方にまっすぐ引っ張られるのをイメージする。
- 上半身全体が天井に引っ張られているのをイメージする。
- 体全体がリラックスして、軽く感じられるようになったら完了。
この姿勢がすべての基本になりますよ。
維持できるようになったら腰への負担はずいぶん減ることになります。
腰痛はもちろんのこと、首こりや肩こリの改善、また立ったり歩いたりする姿勢にも変化があるはずです。
ではもう少し話を続けましょう。
デスクワークの姿勢改善で腰痛を予防しよう
デスクワークでは、パソコン業務が主になっている方が多いでしょうね。
この場合、正しい座り方の他、少しの工夫をすることでずいぶん楽な姿勢が作れます。
でもオフィスのデスクは高さが決まっている場合がほとんどでしょう。
あまり細かい設定は難しいかもしれませんね。
以下のポイントだけでもしっかり守ってみましょう。
- 正しい座り方を心がける(※上記の座り方のコツ参照)
- パソコンのキーボードに手を置いたとき、肘が90~100°になるように椅子の高さを調整する。
- 肘がデスクの上にのるようにデスクに近づく(パソコンまでの距離も調整する)。
- デスクトップ型のパソコンであれば、ディスプレイ(上縁が目の高さ)の位置を調整する。
いかがでしたか?
もしこの方法を続けても改善が見られないときには、別の方法がありますよ。
次に脊柱の柔軟性や腹筋にも目を向けてみましょう。
腰痛の予防には脊柱の柔軟性と腹筋も重要
脊柱は、その形状と柔軟性、そして周りの筋肉による安定性のすべてが備わって初めて機能が果たせるのです。
しかし脊柱のS字形が崩れたり、固くなったり、また体幹の筋肉が弱くなったりするとスプリングの役目が果たせなります。
すると体幹の筋肉も余計に働かなくてはならなくなり、ついには上半身が支えきれずに腰痛になってしまうんですね。
また体の中枢部である体幹が安定していないと足の力も十分に発揮できなくなります。
すると膝や股関節にまで余計な負担がかかり、痛みや変形の原因にまで及ぶこともありますよ。
脊柱の柔軟性を改善するには
脊柱が固くなると様々な問題が起こってくるのは先ほどお話しした通りです。
脊柱の柔軟性を保つ体操を行ってみましょう!
立ったままで脊柱を曲げ伸ばししたり、捻ったりすると股関節の動きが大きく含まれてしまいます。
特に捻ねる動作では、ほとんどが股関節の動きで代償(代わりに補おうとする)されてしまいます。
そこでイスに座った状態で骨盤を固定し、股関節が動かない状態で行う方が効果的なんです。
腹筋を上手に使うには
続いて体幹筋です。
腰痛予防では、体幹筋のなかでも特に腹筋が重要なんです。
腹筋は、3層構造になっていて、前方に腹直筋(腹筋が割れるというのはこの筋肉)、その横に腹斜筋、一番内部にあって腹直筋や腹斜筋と連結している「腹横筋(Transversus muscle)」という筋肉があります。
これら3つをまとめて腹筋群という言い方もしますよ。
この腹横筋がしっかりと働くことで腹直筋や腹斜筋がとても働きやすくなり、上半身を支える力が大きくなるのです。
逆に腹横筋が働かなくなると腹直筋と腹斜筋のバランスが悪くなり腰痛の原因にもなります。
まさに縁の下の力持ちと言える筋肉ですね。
では腹横筋を鍛えてみましょう!
鍛えて強くするというよりも、働きやすくするというイメージで行うのがおススメですよ。
いかがでしたか?
腰痛があると仕事や勉強に集中できないですよね。
また姿勢が崩れることで首や肩はもちろんのこと、内臓にも影響を及ぼすことがあります。
先ずは正しい座り方から始めてみましょう。
そして脊柱の柔軟性や腹横筋のエクササイズを行えば効果は倍増です。
それでは、あなたが腰痛から一日でも早く解放されることを願ってこの稿を終わりにします。