線維筋痛症の初期症状は圧痛点がポイント。難病でも治るように。

皆さんは、「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」という病気をご存知でしょうか?
少し言いにくい名前ですね。
最近テレビでも取り上げられたことで話題になっている病気です。
とは言え、まだまだ認知度が低い病気で、ご存知の方も少ないようです。
一体どんな病気なのでしょうか?
では、早速見ていきましょう。
線維筋痛症とはどんな病気なのか?
「線維筋痛症」とは、リウマチ性疾患の一つで、全身の筋肉や関節に痛みが生じる病気です。
その痛みはまるでガラスの破片が流れるような激痛だと言われています。
大きな痛みを伴うリウマチ性疾患と言うものの、通常のリウマチのように、関節の腫れや変形はなく、通常の検査をしても身体のどこにも異常が見つからないといった病気でもあります。
そんな激しい痛みがあるのにも関わらず、異常が見つからないとは、何だか不思議な感じがしますが、実際日本でも現在約200万人という多くの方がこの症状を患っていると言われています。
また線維筋痛症は誰でもなる可能性がありますが、実際のところ、発症者は20代~60代の女性に多く、特に中高年の女性に多い病気です。
これまではなかなか診断がつかず、何年も治療することができずに苦しまれた方も沢山いらっしゃったと思います。
また通常の検査では異常がみつからない為、病院を探し回る苦労や、医師や周囲の人から、その痛みや苦しさを理解されないという精神的な苦痛も伴ってこられたでしょう。
命にかかわる危険性はありませんが、全身に痛みを感じるだけでも辛い上に、そのような悩みを抱え、苦しまれてる方も少なくありません。
そんな周囲には一見「なまけ病」と誤解されることも多かったこの病気ですが、アメリカのように診断基準が設けられるようになりました。
では、どんな基準なのでしょうか。
初期症状はどういったものがあるの?圧痛点とは何?
1990年にアメリカでは、アメリカ・リウマチ学会で「線維筋痛症」の診断基準が設けられました。
「全身に原因不明の痛みが3ヶ月以上続き、全身に18箇所あると言われる圧痛ポイントを指で押し、痛い箇所が11箇所以上ある」と線維筋痛症であると診断されるというものです。
もちろん11箇所に満たない場合でも医師が「線維筋痛症」だと診断することもあるようです。
診断には、問診、触診、痛みの原因を特定する為にエックス線検査、MRI検査、血液検査などが行われ、筋肉や骨などの組織の異常などが調べられます。
原因はまだよく分かっていませんが、中枢神経の異常によって痛みの回路が変化し、痛みを増幅させているのではないかと言われています。
また思春期に受けた虐待やトラブル、手術や事故による外傷、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などが発症のきっかけとなったり、また悪化をする原因になったりすると言われています。
このように線維筋痛症は身体的痛み、精神的痛みの両方を持つ可能性がある病気です。
初期症状としては、
・背中や腰、おしり、足のしびれ
・頭痛
・疲れやすい
・うつ病に似た症状がある
・睡眠の質が劣る
・便秘や下痢など胃腸に不調が出る
・冷え性
・目や口の渇き
・耳鳴り
一部の痛みから全身に渡るケース、全身の痛みをはじめから感じるケース、痛みを感じる場所が移動するケースなど、症状はその方によって違うことが多いようです。
難病でも治るようになっている?回復後仕事復帰はどうなる?
線維筋痛症はいわゆる難病とは認められておらず、障害者手帳も取得できないまま、生活に困窮している患者さんが沢山いらっしゃるようです。
けれど、2012年抗うつ薬のプレガバリン(商品名リリカ)が線維筋痛症の保険適用になり、近年では早期診断、治療で治せる病気になってきました。
プレガバリンなどの薬物療法で炎症を抑え、抑うつ状態の改善を図る他は、ウオーキング、水泳、ヨガなどの有酸素運動を行う運動療法や鍼灸、マッサージ、指圧などの代替療法が改善に効果が期待できると言われています。
どれも心と体をリラックスさせてくれたり、血行を促進することで、意欲ややる気をアップさせてくれたりと、日頃の私たちの身体及び精神安定には欠かせないものばかりですね。
ただし、痛みがあると、運動するということはなかなか難しいと思いますので、できる範囲で始めてみましょう。
動くことが困難であれば、瞑想などで精神安定を図ることも効果が期待できます。
その小さな一歩を繰り返すことで、職場復帰、社会復帰をされている方も増えてきています。
いかがでしたでしょうか?
難病でない難病の病気「線維筋痛症」。
痛みと不安で苦しまれてる方が少しでも早く改善されますように。