ハーブの種類を図鑑形式で紹介!セージやタイムなどの効能と料理のコツとは?

セージ、ローズマリー、タイム。
これらのハーブの名前を聞くと、なんか上品でおしゃれ。
でも香りがメインなのでは?
栄養はないんじゃないの?
そんな風に思われる方も多いでしょう。
でも実際は、栄養価が高いものが多く、効能の種類も豊富なんです。
今回は、ハーブの種類を図鑑形式で紹介します。
セージやローズマリー、タイムなどを使った料理のコツもお話ししましょうね。
ハーブの種類と効能、料理のコツまで図鑑形式で紹介!
ハーブは日本語では香草と呼ばれますね。
香りがとてもよいのが特徴。
フレンチやイタリアンなどの料理やハーブティー、ポプリにも用いられますね。
でもいざとなると、名前は聞いたことあるけど、見分けがつかない。
またどんな使い方をすればよいのか見当もつかないのがほんとのところですね。
まずは今回登場するハーブの種類をまとめてみましょう。
- セージ
- マジョラム
- ミント
- バジル
- レモンバーム
- タラゴン
- ディル
- フェンネル
- チャービル
- タイム
- イタリアンパセリ
- ローズマリー
- ローリエ
- レモングラス
それでは、詳しく見ていきましょう。
セージは更年期症状の緩和にも
- 乾燥させた粉末スパイスでは、ビタミンAやB2、カリウム、カルシウム、鉄のミネラルを豊富に含む
- 冷蔵庫に入れると痛むので、風通しのよい日陰に干して乾燥させて保存するとよい
- 薬理効果が期待できる精油成分が豊富
【効能】
- 更年期症状の緩和:女性ホルモンに似た作用による
- 血行促進作用
- 抗ストレス作用(芳香性)
- 消化促進作用
- 抗菌作用
- 解熱作用
- 精油成分:ツヨシ、シオネール、ボルネオール、カンファー
【料理のコツ】
- 脂肪分のくさみ消しに最適で、豚肉、ラム肉、レバー、魚介類(サバ、いわし)と相性がよい
- ハンバーグでは、乾燥させた粉末スパイスを混ぜるとよい
- ドレッシングやソースに粉末スパイスを一振りすると香りが引き立つ
- スペアリブやミートローフなどのオーブン料理では、生の葉をのせて焼くとよい
マジョラムは鎮静効果にすぐれる
- やさしい甘さと繊細な香り、ほろ苦さが特徴
- あらゆる鎮静作用をもつ
- 同属のオレガノよりも香りがやさしい
- 保存する場合は乾燥させるか、ハーブオイル、ハーブビネガーにする。冷凍も可能。
【効能】
- 咳を鎮静する効果
- 緊張や不安などを鎮静する効果
- 気分を鎮静させることで安眠効果も
- 血圧を下げる効果
- 消化促進効果
- 食欲増進効果
- 肝臓の機能を向上させるデトックス効果も
- 精油成分:カンフル、ボルネオール
【料理のコツ】
- 生では、薬味やサラダに加えたり、ドレッシング、トマトケチャップに加える
- 乾燥では、ソーセージ、チーズ、トマト風味のシチューと相性が良い
- 香りが繊細なため、仕上げに使うとよい
- 加熱時間の短いオムレツなどの卵料理に
- 煮込み料理など加熱時間が長い場合は多めに使う
- 香りが強く感じるときは、タイムやオレガノと合わせて使うとマイルドになる
- ハーブティーにすると鎮静効果が期待できる
ミントの種類は500種類以上
- スペアミント、パイナップルミント、アップルミント、ペパーミントなど多種多様
- 枝ごと水に差していれば保存可能(水替えが必要)
- 乾燥も可能(アップルミントは肉厚で不向き)
- メントールは最も有名な精油成分
- 外用ではシップとしても用いられる
【効能】
- 整腸・消化促進作用
- 胃潰瘍の予防
- 抗菌作用(食中毒の予防)
- 花粉症の鎮静作用
- 覚醒作用(芳香・刺激性)
- リラックス効果
- 精油成分:メントール
【料理のコツ】
- 生でも乾燥させてもよい
- 生でも乾燥させてもハーブティーに最適
- スペアミント:香りも味もやさしい:乾燥させて、豆やジャガイモとゆでる。ラム肉のくさみ消しにも。
- パイナップルミント:甘くフルーティーな香り:生でお菓子やフルーツジュース、カクテルの香り付けに
- アップルミント:青りんごに似た甘い香り:生でお菓子やフルーツジュース、カクテルの香り付けに
- ペパーミント:最もメジャーな品種:オールラウンドの使い方が可能
バジルはイタリアンの定番ハーブ
- 爽やかな甘い香りとかすかな苦みが特徴
- イタリア語ではバジリコと呼ばれる
- 生食に適している
- 冷凍でも傷みやすいので早めに消費
- ビタミン類、ベータカロテン、カリウム、カルシウム、鉄分が豊富
【効能】
- 食欲増進効果
- 消化促進作用
- 抗菌・解毒作用
- 高血圧の予防・改善
- 精神安定効果(不眠など)
- 精油成分:リナロール、カンファー、オイゲノール
【料理のコツ】
- トマトとニンニクと相性が良いのでイタリアンに最適
- にんにく、とうがらしとオリーブオイルに漬けたバジルオイルはパスタやピザに
- ジェノベーゼソース(オイル、松の実、パルメジャーノチーズを混ぜる)は抗酸化作用抜群
レモンバームは風邪の予防にも
- やさしいレモンの香り
- 入浴剤として使うと抗菌作用も
- 乾燥させてポプリやハーブピロー(枕)の原料としても最適
- 枝ごと水に差していれば保存可能(水替えが必要)
【効能】
- 疲労回復効果
- 解熱作用
- 抗菌作用
- 消化促進・整腸作用
- 食欲増進
- 鎮静作用(不眠症、うつ傾向)
- 精油成分:シトラール、シトロネラール、オイゲノール、アセテート
【料理のコツ】
- 乾燥させて、ハーブティーにする(食前食後に飲むとよい)
- 白ワイン、ビールに入れても香りが楽しめる
- 生で刻んで、ドレッシング(マヨネーズ、ホワイトソース)に加えてサラダにする
- 生で刻んで、肉料理、魚料理に添える
タラゴンは料理の味を一変させる魔法のドラゴン
- エストラゴン(小さいドラゴンの意)が名前の由来
- 甘い香りと刺激的な苦みが特徴
- 葉にはビタミンA、C、ヨウ素が豊富
【効能】
- 強壮効果
- 消化促進作用
- 食欲増進作用
- 月経痛の予防・緩和
- 口臭予防
- 精油成分:エストラゴール(女性ホルモンに似た構造をもつ)
【料理のコツ】
- 乾燥には向かないので、生で使う
- タラゴンビネガーにしてピクルスやマリネに使うのが一般的
- 白ワインビネガーに漬けてドレッシングの材料やトマトピューレに合わせるとよい
- 鶏肉や鴨肉、魚料理のくさみ消しに
- 刻んでバターやクリームと合わせると相性がよいので卵料理にも
- ハーブティーにも
ディルは魚料理の定番
- 葉の部分はスッキリした香り
- 種はやや刺激があり、噛むと爽やかな辛味がある
- 葉、茎、種、花すべてに香りがあり無駄なく使える
- 同じセリ科のフェンネルに似ているがやや小さい
【効能】
- 消化促進作用
- 食欲増進作用
- 気分を落ち着かせる鎮静作用(ハーブティー)
- 催眠効果(ハーブティー)
- 口臭予防(種)
- 精油成分:カルボン、リモネン
【料理のコツ】
- 生でも乾燥させてもよい
- フェンネル同様、魚と相性がよい
- サーモンやニシンのマリネが定番
- ピクルスやサワークラウトに
- 生で刻んでスープやポテトサラダに
- 乾燥させてアップルパイやケーキ、パンの香りつけにも
- ハーブティーの薬効もおすすめ
フェンネルは消化促進やむくみの改善に
- 葉はクセがあるが、種はアニスのような香り
- 葉、茎、種は食用として
- 和名は「茴香(ういきょう)」
- 見た目はディルと似ている
- そのまま冷凍しても、製氷皿に入れて氷にしても保存できる
【効能】
- 消化促進作用
- 利尿作用(むくみの解消)
- 母乳の出をよくする
- 解毒作用・利尿作用(種子)
- 催眠作用(種子)
- 精油成分(種子):アネトール、フェンコン
【料理のコツ】
- ディル同様、魚介類のくさみ消しの定番
- 葉は生で刻んでマリネ、ピクルスに入れるとよい
- 若い芽や茎はサラダに入れてもよい
- 種はデザートのトッピングにすると香りが引き立つ
- 種はソース類にいれると味のアクセントに
- 根はスライスにしてもすりつぶしてもサラダに合う
- 根は煮たり炒めたりしてもよい
- ハーブティーもおすすめ(種子の薬効)
チャービルはどんな料理にも合う万能選手
- 上品な甘い香りが特徴
- 生では、ビタミンC、カロテン、鉄、マグネシウムを摂取できる
- パセリよりくせがなくて使いやすい万能選手
- 長期保存は冷凍か乾燥(風味が落ちる)、もしくはハーブビネガーにして
- 葉を水に漬けて洗顔用、葉を直接当てて美容パックとなり、肌の汚れ落としややわらかさを保つ効果も
【効能】
- 血行促進作用
- 血液浄化作用
- 発汗作用
- 利尿作用
- 消化促進作用(ハーブティー)
【料理のコツ】
- どんな料理にも合うので、仕上げに若葉を添えるとよい
- 生で刻んでオムレツやソーセージとともに
- 生で鶏肉や白身魚と合わせると相性が良い
- スープやサラダの風味付けにも
- ハーブバター:バターを常温に戻し、細かく刻んだ生の葉を入れ、再び冷蔵すると完成
- ハーブバターはトーストやステーキソースとしても
- 小さな葉はケーキのデコレーションにするとかわいい
ここでちょっと一休み。
ハーブをブーケガルニにしてもっと活かすことができますよ。
タイムやローズマリーはブーケガルニでもっと活かそう
ブーケガルニとは、香草の束を意味するフランス語です。
ハーブ(に加えて、セロリの茎やニンジンなどの香味野菜をいっしょにタコ糸で束にしたものを言いますね。
スープや煮込み料理のくさみ消しや香り付けに使われます。
乾燥ハーブ(市販のもの)は、だし用のパックにまとめて入れると簡単ですよ。
タイムはブーケガルニには欠かせない
- すがすがしい香りとほろ苦さが特徴
- 乾燥させたスパイスでは、ビタミンB2やカリウム、カルシウム、鉄、マグネシウムのミネラルを豊富に含む
- ブーケガルニのほかにも、ハーブソルトやオリーブオイル、ビネガーに付け込んで使用できる幅広さ
【効能】
- 殺菌作用
- 防腐作用
- 発汗作用
- 咳止め効果(気管支炎など)
- 消化促進作用
- 抗ストレス作用
- 精油成分:カルバクロール、チモール
【料理のコツ】
- 生でも乾燥させてもよい
- 生は香りが強いので少しづつ使う
- 生でハーブティーにすると発汗作用や抗ストレス作用が期待できる。うがい薬にも。
- ブーケガルニに欠かせないハーブ。スープ、シチューなどの煮込み料理に。
- オーブン料理では食材の上に枝のままのせて焼くとよい
- あら塩と乾燥させたハーブをミルで挽いてハーブソルトに
- 乾燥させてから、オリーブオイルやビネガーに漬けておくとドレッシングの素材に
- 乾燥させてから、細かく砕いてスパイスに
イタリアンパセリはいつもキッチンに置いておきたい
- パセリと同じく、ビタミン(A、B、C群)、鉄、カルシウムが豊富
- 日本でおなじみのパセリよりも苦味が少なく、香りが強いのが特徴
- 乾燥には向かないので、生を刻んでから冷凍保存するとよい
- 栽培が簡単で日当たりにも影響されないので鉢植えをキッチンに置いておくと便利
【効能】
- 抗酸化作用(がんや動脈硬化の予防)
- 血行促進作用
- 口臭予防効果
- 消化促進作用
- 利尿作用
- 骨粗しょう症の予防
【料理のコツ】
- 葉をみじん切りにするときは水気をよく切る
- 葉は加熱時間が長いと香りが消えるので仕上げに加える
- 肉料理やサラダに添える
- スープやシチューの浮き実にする
- ドレッシング、バター、チーズ(フォンデュ)に混ぜる
- 茎はパセリと同様にブーケガルニにするとよい
ローズマリーは若返りの妙薬
- 爽やかで甘い香りとほろ苦さをあわせ持つ
- オーデコロンの香料としても
- 乾燥させるとポプリにも最適
- 乾燥させてバーベキューの火にくべると虫よけにも
- 枝ごと水に差していれば保存可能(水替えが必要)
【効能】
- 強壮効果
- 疲労回復
- 血行促進
- 消化機能の促進
- 殺菌効果
- 抗酸化作用
- 精油成分:ピネン、ボルネオール、カンファー、シネオール
【料理のコツ】
- 生でも乾燥させてもよい
- 刺激が強いいので少しづつ使う
- オーブンで焼く料理で使うとよい
- 豚肉やラム肉のくさみ消しに最適
- ブーケガルニにするとよい
- ベイクドポテトの香り付けにも
- 葉柄(葉のつけ根)の部分が固いので食べる前に取り除く方がよい
ローリエ(月桂樹)はギリシャ神話にも登場
- 風通しのよい日陰に干すと自宅での乾燥も可能
- 乾燥させると甘い香りが広がる
- 部屋の芳香剤としても有効
【効能】
- 消化機能の促進
- 食欲増進(芳香性)
- 血行促進
- 防腐作用
- 精油成分:シネオール、ピネン、ゲラニオール、リナロール
【料理のコツ】
- 生でも乾燥でもよい
- 香りが強いので少しづつ使う
- ブーケガルニにするとよい
- ブーケガルニにしてカレー、シチュー、スープに入れる
- じゃがいもやニンジンと相性がよいので一緒にゆでるとよい
- 防腐効果があるので、ピクルスやオイル漬けに入れるとよい
レモングラスの香りで疲労回復
- レモンのスッキリした香り
- 生は冷凍保存も可能
- 乾燥させてポプリにも最適
- 入浴剤にすると疲労回復効果も
【効能】
- 風邪や感染症の予防
- 解熱作用
- 抗菌作用
- 消化促進・整腸作用
- 疲労回復効果(芳香性)
- 精油成分:シトラール
【料理のコツ】
- 生でも乾燥(風味が落ちる)でもよい
- 生で薄皮をむいて刻んでから、カレー、シチューに入れる
- 乾燥させて、刻むかパウダー状、もしくは長いままで結んで使うとよい
- ブーケガルニにするとよい
- 繊維質で食べにくいので料理後には取り出す方がよい
いかがでしたか?
ハーブは種類も効能も利用法も多彩でしたね。
食卓に上手に取り入れたいものです。
ハーブを使って楽しく美味しく健康になりましょう!