男性不妊治療と費用は?助成金とtese(不妊治療法)について解説

皆さまは不妊治療と聞いてどのようなイメージを持たれますか。
最近は平均結婚年齢も上がっていることから不妊治療をしながら子宝を授かろうと取り組まれているご夫婦も増加してきました。
最近は少子化対策も国や自治体が一体となって取り組んでいることもあり、不妊治療に対して社会全体の関心がより高まってきております。
女性には産婦人科や婦人科では不妊治療専門のドクターや病院もありますが、これまで男性側が治療するインフラはあまり十分であったとはいえませんでした。
近年は自治体によって一定の負担で男性不妊治療が受けられるところもあり、より社会的な関心とニーズが高まってきているようです。
次の章から男性不妊治療の費用についてふれていきます。
男性不妊治療(tese等)の流れと費用
一般的に男性不妊治療の流れは、不妊検査を行って、その結果を元に進めていきます。
検査は不妊治療に特化した病院か泌尿器科にて行います。
男性の不妊治療は不妊治療を専門に行っている病院か泌尿器科のどちらかで行います。
不妊治療の内容は、検査の結果、何が原因となっているかによって施術や費用も変化します。
次に症状別にかかる費用についてご説明いたします。
無精子症の場合
精子そのものが作られていない場合と精子の通り道がふさがれている場合と両方あります。
通り道がふさがれている場合は治療することで人工授精ではなく通常の妊娠が可能です。
その際の費用は病院にもよりますが10~40万円くらいです。
手術から2ヶ月経つと性行為も可能となります。
勃起障害(ED)の場合
メンタル面に起因するEDでありましたら、そのメンタルケアや治療薬の投薬によって治療が可能です。
その際の費用は2000円弱くらいから可能です。
高度生殖医療が必要な場合
高度生殖医療とは、一般的な不妊治療では解決しない場合や母体が40歳以上のときに行われます。
受精を対外で行い、受精卵を子宮内に入れる対外受精だと安くても20万円、高いと70万円くらいの費用がかかり、保険外診療となります。
また顕微授精といって、対外顕微鏡で見ながら卵子の中に精子を入れ受精させる方法だと、40万円前後の費用がかかります。
tese という新しい不妊治療も最近では注目されています。
男性の精巣から直接精子を取り出す方法で、これまでの方法よりも精子の回収率がかなり高くなっており、これからの不妊治療に期待されている医療技術です。
tese は大体1回の手術で20万円前後の費用がかかるようです。
ここまでいろいろな男性不妊手術をご紹介してきましたが、それぞれかかる病院によって費用がかなり違いますので、ご承知おきください。
また治療が長期化すると、それだけかかる費用も多額になりますので、保険外診療の場合だとなかなか継続するのが大変です。
でも朗報があります。
最近は、国や自治体から男性の不妊治療にも助成金がこれまでよりも多く支給されるように変化してきたということです。
では次に具体的な助成金の中身についてご紹介していきます。
不妊治療への助成金について
先月16年1月に厚生労働省は不妊治療に対する助成金制度の拡充を発表しました。
具体的には、今まで15万円だった初回上限額を30万円に、さらに男性に要因がある場合に精子を採取する手術に新たに15万円を助成することになったそうです。
現在15万円までの助成が上限6回までですが、初回に限り30万円に引き上げるとのことです。
不妊手術は保険外診療のため、これから不妊治療に取り組もうとされるご夫婦には大変な追い風になっていると思います。
また女性には、高齢出産リスクもあるので42歳までという上限が16年度から設けられますが、男性には年齢制限はありません。
ですので、真剣に不妊治療に挑もうとされる男性にとっては、国からも手厚い助成を受けられるように変化してきています。
また、東京都、神奈川県、埼玉県等の多くの自治体も独自に不妊治療への治療費助成の支援も次々と始まっています。
日本にとって人口減少はこれからの社会インフラを支える上で死活問題です。
そうした背景もあり、国や自治体も少子化対策解決のため不妊治療に対しての手厚い支援を受けられる体制に変わりつつあります。
ぜひ男性も不妊でお悩みになられていましたら、近くの医療機関の門をたたいてみてくださいね。
この記事が不妊治療で悩まれる全ての方への手助けになれたらうれしいです。