乗り物酔いの治し方。ツボや薬で治らない場合はこの対処法!

乗り物酔いの治し方。ツボや薬で治らない場合はこの対処法!
乗り物酔いに悩まされている方は多いことでしょう。
原因は平衡覚からの情報と視覚からの情報のズレと言われていますね。
酔い止めの薬を飲むのが一般的です。
しかし薬に頼りたくないという方には、ツボ療法やガムやアメなどの食べ物がすすめられることがあります。
また心理療法(系統的脱感作法)も有効な手段ですね。
今回は、乗り物酔いの治し方について徹底解説しましょう。
乗り物酔いの治し方のいろいろ
そもそも「乗り物酔い(動揺症とも)」はどうして起こるのでしょうか?
乗り物に乗っているときは、自分が見ている視界(景色)と体の両方が揺れていますね。
このため平衡覚を司る前庭という器官が「揺れ」を予測して修正しようとします。
しかし実際に見えている視覚情報と微妙なズレが生じ、空間識が不安定になるために不快感を生じます。
そしてこれが自律神経の乱れを誘発します。
自律神経は、胃腸や心臓などの臓器を司っているため、吐き気や呼吸の乱れ、冷や汗、生あくびなどの症状を引き起こします。
これが乗り物酔いのメカニズムです。
遊園地の遊具(ジェットコースターやコーヒーカップ)、3Dの映画でも仕組みは似たようなものなんです。
でも車酔いの場合、自分で運転している場合はほとんど起こりませんね。
これは車の進行方向や車体の揺れ、加速や減速のタイミングが予測できるため、視覚情報とのズレが少なくなるからなんです。
また学童期から中学生程度の子供が大人よりも酔いやすいとされているのは、感覚が敏感であること、車を運転したことがなく、車の動きが予測できないこと、体が小さいために車外の景色が見えにくいこと、頭が相対的に大きく不安定で揺れやすいことなどが理由とされています。
また女性の方が男性よりも2倍程度頻度が高いと言われています。
一般的な対処法は以下の通りです。
- 頭を揺らさない:着座して頭と背中をシートにしっかり固定する(もっとも効果的!)
- 脳の機能低下の防止:睡眠不足や過労、空腹・満腹を避ける
- バスでは外が見える場所に座る(できれば進行方向を向く)
- ガムやアメを食べる(ストレスの軽減や脳の活性化に関与する)
- 酔ってしまった後は酔い止めよりも胃薬を飲む
- アルコールは避ける
- 自律神経を安定させる:ゆっくりした腹式呼吸が効果的
- 腹部の圧迫を避ける:衣類を弛める、排尿・排便を我慢しない
- 誘発因子を避ける:ガソリンや排気ガスのニオイ、オーデコロンや芳香剤など
- 近いところを見ない:本やスマホ、ゲームなど
ツボや薬で治らない場合はこの対処法!
「ツボ」では、老宮(ろうきゅう:掌の真ん中)や内関(ないかん:手首の内側で手首のしわから指3本分手前の真ん中)が有名ですね。
車に乗る前や、乗った後に試してみましょう。
薬も車に乗る前の確実な手段として一般的ですね。
「抗ヒスタミン薬」は、嘔吐中枢を刺激するヒスタミンの作用を抑える効果があります。
また「副交感神経遮断薬」は、自律神経の興奮を抑える効果があります。
しかしすでに車酔いが始まってしまってからでは効果がはっきりしないという方もおられるようです。
その場合、胃腸薬を飲んだ方が良い場合もありますね。
これらツボや薬でも効果がない場合、とっておきの方法があります。
「系統的脱感作法」という心理療法です。
乗り物酔いは、心理的な要素、すなわち過去の乗り物酔いの不快な経験(嫌な思い出)とも関係しています。
「乗り物は嫌なもの」「酔ったらどうしよう」というネガティブな感情が「条件付け」となり乗り物酔いを誘発することがあるようです。
この場合、乗り物に乗ることは「嫌なことではなく、気持ちのいいもの」という新たな条件付けを行う必要があります。
「車に乗っているイメージ」と「体がリラックスして気持ちいい状態」をリンクさせるということなんです。
「イメージトレーニング」と理解していただいても差し支えないでしょう。
やり方はいたって簡単。
- 末梢から中枢に向かって力を入れたり抜いたりすることでリラックスする
- まぶたをギュッと閉じる(開く)
- 指で輪っかを作ってギュッと閉じる(開く)
- 手を結ぶ(離す)
- 肘をぐっと曲げる(伸ばす)
- 肩をすくめる(下す)
- 足の指を握る(閉じる)
- 足首を曲げる(伸ばす)
- 膝を曲げる(伸ばす)
- 腹式呼吸でリラックスする
- 車に関するイメージをする
- 車が遠くを走っているところをイメージするチンパンジー
- 車が近くを走っているところをイメージする
- 車のドアを開けて乗り込む
- 車がまっすぐゆっくり走り出す
- 車がスピードを上げる
- 車がゆっくり曲がる
- 車が早く曲がる
- 車がバックする
- 車がバックして曲がる(車庫入れなど)
体がリラックスして気持ちいい状態のときに車に関するイメージを重ねることで新たな条件付けを行うことができます。
車のイメージは徐々に進めていけばよいでしょう。
対象はバスでも他の乗り物でも構いません。
いかがでしたか?
車酔いは日常生活にとってとてもマイナスの要素ですね。
本日紹介した方法をぜひ試してみましょう。