手のひらにかゆいぶつぶつや水泡ができる原因。金運アップのジンクスは本当?

ドイツでは右手がかゆくなるとお金が入り、左手がかゆくなるとお金が出ていくという金運にまつわるジンクスがあるそうです。
手は金運パワーの入口と出口にあたるということでしょうか?
日本的に言えば、手の湿疹を放置して悪化させると手相が変わったりすることもありますから、意外に関係しているのかもしれませんよ。
しかし実際のところ手のひらのかゆいぶつぶつはつらいものです。
細菌が入って悪化したり、水泡が大きくなると見た目にも良くないもの。
今回はその原因や予防法についてお話ししましょう。
手のひらのかゆいぶつぶつや水泡の原因は?
手のひらに赤いぶつぶつや水泡が出来てかゆくてしかたがない。
こんな症状にお悩みの方も多いことでしょう。
一般的には「手湿疹」と呼ばれる症状です。
一度できるとなかなか治らなかったり、何度も繰り返したりして本当に厄介なものですね。
それでは手湿疹の種類を見てみましょう。
- 主婦湿疹
- 進行性指掌角皮症
- 慢性湿疹
- 異汗性湿疹(汗疱;かんぽう)
- アレルギー接触性皮膚炎
次に原因や症状を詳しく見てみましょう。
水仕事をする人に見られる主婦湿疹と進行性指掌角皮症
主婦湿疹と進行性指掌角皮症は、同様の種類に分類されるようですが、赤く小さなぶつぶつ(丘疹)が見られ、かゆみを伴うものは主婦湿疹としてタイプ分けされています。
- 原因:水仕事(洗剤の使用)を頻回に行うことで皮脂が失われ、そこに刺激(化学的・機械的)が加わることで起こる。
- 症状(初期):手が荒れ、手全体が赤くなって乾燥し、角質がはがれる。
- 症状(進行期):指にひび割れが出来たり、皮膚が薄くなる。
【予防法・治療法】
- 手袋(プラスティックグローブなど)を着用して水仕事を行う。
- 水仕事の後はハンドクリーム(ひどい場合は白色ワセリンを使用)で保護する。
- かゆみのある場合は、ステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬を用いる。
不眠症やストレスにも関係する慢性湿疹
湿疹など外見に変化がみられないのに強いかゆみを伴う皮膚掻痒(そうよう)症の一種と言われています。
原因がはっきりしないが掻いているうちに悪化することが多いとされています。
ストレスの関与も指摘されていますので、起きたタイミングも考えてみましょう。
- 原因:皮膚の水分や皮脂の分泌不足による(高齢者)。
- 原因(関連疾患):不眠症やストレスに関連して起こる。
- 原因(関連疾患):糖尿病や腎不全の患者などの内臓疾患に関連して起こる。
- 症状:限られた部分に強いかゆみが出る。
【予防法・治療法】
- 保湿を心がける。
- 原因疾患を特定して治療する。
- 尿素軟膏、ステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬、睡眠導入剤(併用)を用いる。
初夏に多い異汗性湿疹(汗疱;かんぽう)
手のひらと指に小さな水泡(水ぶくれ)がたくさんできるのが主な症状です(小水胞型)。
かゆみを伴い、しばらくすると水泡が壊れて皮膚がはがれてきます。
また指先を中心に膜を張ったような形で、同じく皮膚のはがれが見られるタイプを乾性落屑型と呼んでいます。
このタイプはかゆみが出ないのが特徴です。
いずれのタイプも初夏の頃に多く見られ、原因不明とされています。
数週間~1か月ほどで自然に消失しますが、繰り返して起こるのが特徴です。
治療はステロイド外用薬が用いられます。
あらゆるものがアレルゲンとなるアレルギー接触性皮膚炎
何らかのアレルゲンが接触することで起こるアレルギー性皮膚炎です。
いわゆるかぶれた状態となり赤み(紅斑)を伴います。
ひどい場合は水泡が出来たり腫れたりすることもあります。
また皮膚だけではなく口の中に起こり、かゆみや腫れを起こすことがありますので注意が必要です。
アレルギー性皮膚炎の治療には、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬が用いられますが、アレルゲンを特定し避ける以外に完治する方法はありません。
アレルゲン(原因物質)はあらゆるものに可能性があるのです。
思い当るものがあったら、皮膚科でパッチテストを受けてみることをお勧めします。
パッチテストは、アレルゲンと思われるものを染み込ませたシールを背中などの皮膚に貼って反応を見るテストです。
自宅にもある身近なアレルゲンは
ホルムアルデヒド(水溶液としてのホルマリンも)は建築材料として用いられたり、家具などの製品として存在していることがあります。
コバルト(金属の一種)はアクセサリーやメガネのフレームとして、赤色202号(着色剤)は化粧品の成分として用いられています。
また部屋にある植物も意外にアレルゲンになっているかもしれませんよ。
もちろんすべての人にアレルギー反応を起こすわけではありません。
しかしとても身近のものですから、可能性として考える必要はあるかもしれませんね。
ホルムアルデヒド
建築材、接着剤、塗料、防腐剤などの製品に用いられている物質です。
その他にもこのホルムアルデヒドを含むものがあります。
一般には、いわゆるシックハウスの原因の1つとされていますね。
- 建築材、接着剤、塗料
- 家具の一部
- 薬品(殺菌、防腐剤、洗浄剤)
- 衣料品の一部
- 化粧品の一部
- ドライクリーニング、クリーニング溶剤
コバルト
コバルトは金属の一種で、ニッケルやクロムなどの合金に含まれています。
これらはアクセサリーやメガネのフレーム、衣類のボタンの材料として用いられています。
金属アレルギーの原因の一つと考えられていますので思い当る方は多いかもしれませんね。
赤色202号
着色料として化粧品などに広く用いられています。
製品表示をしっかり見てみましょう。
- 口紅
- マニキュア
- ファンデーション
- アイシャドー
- 石鹸
部屋にある植物
身近な植物もアレルゲンになります。
お手入れの後にかぶれたりしたことはないでしょうか?
- セントポーリア
- シクラメン
- ポトス
- ベゴニア
- ポインセチア
- オリズルラン
- シンビジウム
太陽の光もアレルゲンに
珍しいものに光アレルギー性接触皮膚炎というものがあります。
これは湿布を貼ったところを太陽の光に当てることでひどい皮膚炎(赤み、発疹、水ぶくれ)を起こすものです。
日焼け止め(紫外線吸収剤)を塗った後に起こる場合もありますので、単なる日焼けとは区別して考えましょう。
手湿疹と似ている皮膚病は
最後に手湿疹と似た皮膚病について押さえておきましょう。
- 症状:手のひらから手首にかけて赤み、水疱、膿疱(ウミがたまる)が出現してかゆみや痛みを伴う。
- 症状(他の部位):足のかかとや外側の皮膚に同様の症状が見られる。
- 原因不明:金属アレルギーや細菌感染の関与も指摘される。
- 治療:ステロイド外用薬、ヒスタミン薬、抗生物質の使用。
【手白癬(手の水虫)】
- 症状:皮膚の肥厚(厚くなる)がみられ、かゆみを伴うこともある(軽度)。
- 症状(他の部位):足や手の水虫も同時に起こることが多い。
- 原因:白癬菌の感染で起きるが、水仕事が誘因になることも。
- 治療:水虫菌の特定と抗真菌薬の投与で完治する。
いかがでしたか?
手のひらや指の皮膚炎はとてもつらいものですね。
原因が分かるものについては早めの対処が予防が必要です。
そして悪化しないうちに専門医の診察を受けましょう。