パニック障害で仕事に迷惑な同僚への対応方法。

春になり、新しい職場、新しい仕事を迎えられる方も多いと思います。
そんな中で、以前や現在の職場にパニック障害で困っている同僚や仲間を見たことは今までありませんか?
パニック障害は、私たちが知っていそうで実はあまり知られていない病気です。
そしてパニック障害におけるパニック発作とは、突然起こる非常に強い一時的な精神不安であり、身体的な症状も伴うのが特徴です。
パニック発作自体は実はそれほど珍しい症状ではなく、成人に数%の割合で発生しています。
特に女性に多いのが特徴で比率としては男性の約3倍もの確率で発生しています。
症状としては、めまい、息苦しさ、動悸、息切れ、血圧の変化、吐き気等が起こりますが、生命に直接の危険があるとは診断されません。
ただし日常生活の大きな支障となる病気であり、そのことに対して周りの正しい理解が何よりも必要です。
次の章で具体的に身近な同僚にパニック障害の人がいたときにどう対処したらよいか、ご紹介していきたいと思います。
迷惑な同僚と仕事上どう付き合うか?
春になって新しい職場からスタートする皆さんも少なくないかと思いますが、現在の職場環境に迷惑な同僚と思うような方はいますか?
ところで皆さんにとって迷惑な同僚とはどういう人でしょうか。
突然怒り出したり、怒鳴りだしたり、はたまた手が付けられないくらい落ち込んでしまう人でしょうか。
もしですよ、皆さんが逆にパニック障害という病気のために周りから「あいつ迷惑だな。」と思われていたら、どのような気持ちになるでしょうか。
今はパニック障害を起こす同僚に対して「ちょっと迷惑なんだよね。」と思われていらっしゃるかもしれませんが、この病気に対する理解が深まれば、かなり見方が変わってくると思います。
発生する事象そのものを変えることは非常に難しいですが、私たちがその事実を判断するプロセスはいくらでも変えることが出来ます。
今回は「パニック障害の人とどう付き合うか」という視点の前に「パニック障害とはどういう病気か」についてご説明いたしたいと思います。
パニック障害とはどんな病気か?
パニック障害は、何の気ないときに突然不安や恐怖に襲われて発作を起こしてしまう病気です。
その原因は今もまだはっきりしていませんが、最近分かってきたのは、脳内の不安に関する機能を司る神経が何らかの異常をきたしてしまうことでパニック障害が発生するということです。
またパニック障害を発症すると、同時にうつ病やうつ状態になることがよくあります。
これは、うつ病もパニック障害も脳内のセロトニンと呼ばれる神経伝達物質の低下により引き起こされるからです。
パニック障害は、その人の能力や信条や働き方がどうだからというわけではなく、脳内の神経伝達物質によって引き起こされる病気だということをぜひ知ってください。
よく誤解されるのは、パニック障害が発生したら、工場のラインの仕事であれば現場から離れざるを得ず、営業職であれば客先の前だったら症状のために離席しなければなりません。
この病気の怖いところはパニック障害の症状のために周りの同僚に患者さんが「やる気が無い」と思われてしまうのです。
あの人はパニック障害であるということが分かりましたら、どうかその人の仕事の停滞やそれに伴うミスについて追求をしないようにすることが大切です。
障害を抱えながら生活のために仕事に就くというのは想像よりもずっと大変なことです。
またこのセロトニンの低下は、過剰なストレスや過労によって引き起こされているといわれています。
そのため、周りの人の理解が得られないと治癒するどころか、ますますその症状にパニック障害の同僚は苦しんでしまうことになるのです。
決して治らない病気ではなく治療によって治すことのできる病気ですので、大切なのは周りの理解なのです。
職場での周りの理解によりパニック障害の方は病気を克服できる可能性があります。
その同僚との接し方
もしあなたの同僚にパニック障害の人がいたらどう接していけばよいでしょうか?
まず大切なのは、何か起こっても叱ったり励ましたりはせず、きちんとその患者の方のお話を聞いてあげる態度でのぞむことです。
パニック障害の人にしてはいけないことは叱咤激励です。
とにかく相手の話をひたすら聞いてあげてください。
ただ話をきいてもらえるだけで安心感がその同僚の中に芽生えて、パニック障害の治癒にとても良い影響を与えます。
そして、もしパニック発作を発症した際には、楽な姿勢をとらせて相手を落ち着かせながら、背中をさすってあげたりして不安を抑えてあげるようにしてください。
本人は死にそうな感覚に陥っていてもパニック発作自体で死ぬことはありませんので、とにかく相手の方の精神状態が落ち着きを取り戻せるようにしてあげることです。
ただ周りの私たちがその方の症状が落ち着くまで見守ってあげるようにしてくださいね。
周りの方の病気への理解がその方の治癒のために大きく貢献します。
暖かいまなざしで見つめてあげることを心がけてみてください。
そうすれば、その方への「迷惑な同僚」という意識もいつの間にか消えているかもしれません。
その方が治癒すれば、きっと職場の戦力として復帰してくれると思います。
ご自身のためにも皆さんでパニック障害の方を下支え、サポートしていかれると良いと思います。