いびきの原因で10代の女性によくみられる病気は?鼻のトラブルや扁桃腺肥大などの対策方法を紹介。

いびきって太っている人がかくもの。
また子供や男性に多いものといったイメージがありますね。
でも最近では10代の若い女性にも増えていると言われます。
一人暮らしではなかなか気づきにくいものですが、先天的な鼻の病気や扁桃腺肥大などの原因が隠されていることもあるんです。
今回は、いびきの原因とその対策についてお話ししていきましょう。
いびきの原因で10代の女性によくみられる病気って?
そもそも「いびき」はどのようにして起きるのでしょうか?
いびきは、睡眠中に咽頭部の一部が何らかの原因で狭窄(狭くなる)を起こし、粘膜を振動させることで発症します。
軟口蓋や口蓋垂、また舌根部、扁桃腺などが気道をふさぐことで起こるのが一般的ですね。
少し補足しましょう。
軟口蓋は、喉にある器官(口蓋垂:のどちんこの手前)で、食べ物が鼻に入るのを防ぐ蓋(フタ)の役割をしています。
舌根部は、下の付け根の部分のことですね。
特に睡眠中、仰向けで寝ていると、重力の影響で軟口蓋や口蓋垂がゆるんで垂れ下がったり、舌根部が喉の方に落ち込んだりすることで生じやすくなります。
また鼻のトラブル(風邪、アレルギー、鼻の軟骨変形など)や扁桃腺の肥大が原因で起きることもありますよ。
さらに抗ヒスタミン薬(アレルギーや風邪の薬)や睡眠薬の服用も関連が指摘されていますね。
だから10~20代の若い女性でも決して無縁ではないんです。
むしろアレルギーや不眠症などが要因になることから関係することの方が多いかもしれませんね。
では、原因について簡単にまとめてみましょう。
いびきの原因とは
- 肥満:咽頭部のスペースが狭くなるため
- アルコールの摂取:舌下筋を弛緩させる
- 喫煙:咽頭部の炎症や浮腫の原因となる
- 扁桃腺肥大:口蓋扁桃と咽頭扁桃の肥大がある(子供に多い)
- 抗ヒスタミン薬の服用:アレルギーや風邪の薬、睡眠薬としても用いられる
- 睡眠薬の服用
- 鼻閉(鼻づまり):風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)など
- 鼻茸:副鼻腔にできるポリープ(鼻ポリープ)
- 鼻中隔弯曲症:鼻を左右に分ける壁(軟骨)が変形している
- 小顎症:咽頭部のスペースが狭くなるため
- 甲状腺機能低下症(筋力低下)
- 脳梗塞(筋力低下)
- 筋ジストロフィー(筋力低下)
- 重症筋無力症(筋力低下)
子供(5~7歳)では、扁桃腺への免疫機能の依存の程度が高く、問題になることが多いようです。
一方、成人に達していても1/3ほどは扁桃線肥大が原因になると言われており、可能性は十分にあるようです。
また欧米人よりアジア人の顎(あご)は小さく、現代人では特に顕著であることから、若者の発症原因として挙げられていますね。
これら様々な原因によって、いびきが引き起こされますが、問題なのは単純な「いびき症」なのか病的な「睡眠時無呼吸症候群」なのかということなんです。
いびきは、部分的な閉塞を示し、無呼吸(閉塞性の呼吸停止)は完全閉塞を示します。
1回の無呼吸(閉塞性の呼吸停止)が、10秒以上続き、1時間の間に5回以上、1晩で30回以上繰り返されることを基準に判断されています。
症状か軽度のいびきの場合、自分で対処する方法がありますので紹介しましょう。
自分でできる対策方法はある?
まずは軽症の場合の対策方法についてみてみましょう。
- 肥満の解消
- 就寝前のアルコールを控える
- 睡眠薬、抗ヒスタミン薬の調整(※処方薬の場合、医師の相談を)
- 睡眠時の姿勢を工夫する:側臥位、半斜位
最後の「睡眠時の姿勢」について、詳しく説明しましょう。
そもそも仰向けの姿勢は軟口蓋や口蓋垂の弛緩、舌根の沈下を招きやすい姿勢ですね。
少し体を起こした姿勢(半斜位)で寝るか側臥位(横向き)の姿勢で寝ることが対処法の1つです。
ベッドの背もたれを少し起こすか、頭部から背中にかけてタオルなどを敷き、少し起きた状態にするとよいでしょう。
また側臥位の状態を保つために、背中にテニスボールやゴルフボールを入れておく方法もあります。
寝間着の背中部分に袋を縫い付けて中にボールを入れますよ。
こうすることで仰向けになると痛いので反射的に側臥位を取る癖がつくんですね。
鼻のトラブルや扁桃腺肥大などの対策とは
では中等度から重症の場合、どのような対策法(治療法)がとられるのでしょうか?
まとめてみましょう。
- マウスピースの装着(軽~中等度):舌や下顎を前方に引き出す目的
- 鼻閉の治療:アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の治療
- 口腔内装置(OA)の装着:いびきや軽症の睡眠時無呼吸症候群の場合
- 経鼻的持続陽圧呼吸(nCPAP)の装着:睡眠時無呼吸症候群(重症)の場合
- 口蓋扁桃摘出術
- 口蓋垂軟口蓋形成術
- アデノイド切除術
- 口蓋垂軟口蓋咽頭形成術
- 舌根正中部切除術
- 鼻中隔弯曲矯正術
- 副鼻腔炎鼻内手術
中等度から重症の場合、原疾患の治療のほか、咽頭部の外科的な対応が必要なこともあります。
また睡眠時無呼吸症候群である場合、就寝中の器具の装着が必要な場合もあります。
いかがでしたか?
いびきや睡眠時無呼吸症候群は日常生活に大きな支障を招いてしまいます。
重大な事態につながるケースもあり、完治には本格的な治療が必要なこともあります。
医師による精密検査・診断、処方が必要であるため、早めの受診をお勧めします。