【尿漏れ】防止体操!女性に多い原因とその改善方法をくわしく解説。

尿漏れは、女性特有の悩みといっても過言ではありませんね。
特に妊婦や産後に訴えが多く、その後も女性の3割以上が経験していると言われます。
腹圧性尿失禁というのがもっともよく耳にする病名ですね。
今回は「尿漏れ」に焦点を当て、原因やその改善に効果的な方法についてお話しましょう。
女性に多い尿漏れの原因とは?
初めての出産で妊娠中に尿漏れを経験する人は3割ほどで、出産後は自然に解消するケースが多いと言われます。
しかしその後も尿漏れを経験する人もあり、40代以降で3~4割程度にみられる決して珍しくない症状です。
この尿漏れ(尿失禁)にはさまざまな分類があります。
まずは整理してみましょう。
- 腹圧性尿失禁:労作時(運動時)、咳やくしゃみの際に起きる
- 切迫性尿失禁(過活動性膀胱):尿意切迫感と同時、もしくは直後に起きる
- 混合性尿失禁:切迫性に腹圧性の要素が加わって起きる
- 夜尿症:睡眠中に起きる
- 持続性尿失禁:持続的に起きる
- その他の尿失禁:特定の状況で起きる(性交時、笑ったときなど)
またこれら尿漏れの原因もさまざまですね。
- 妊娠・出産、加齢による骨盤底の支持機能の低下(損傷や破綻、脆弱化)
- 体重増加
- 骨盤臓器脱
- エストロゲンの欠乏(神経疾患や閉経)
尿漏れの治療法とは?
尿漏れの原因としてもっとも多い「腹圧性尿失禁」では、重症度に応じて治療が行われます。
軽度から中等度の場合、骨盤底筋体操、減量、電気刺激療法、薬物療法(補助的)が行われます。
重症例の場合、TVT手術やTOT手術などの尿道を支える操作が行われることもあります。
そのほか、切迫性尿失禁、過活動性膀胱の場合、薬物療法が主に行われています。
骨盤底筋群の機能を改善する方法
ここで骨盤底筋群について説明を加えましょう。
人間は二足歩行し、直立姿勢で多くの時間を過ごします。
何も支えがなければ重力や腹圧の影響で骨盤内にある臓器は下がって行ってしまいますね。
この支えの部分が骨盤底であり、骨盤底筋なんです。
またこの骨盤底筋は、分娩や排尿・排便にも大きく関与していることから、丈夫さとともに柔軟性や弾力性も求められます。
場所的には、骨盤の前の恥骨から後ろの尾骨にあたります。
この中で意識的に鍛えることができるのは、骨盤隔膜と尿生横隔膜、膣括約筋、外肛門括約筋と言われます。
これらの骨盤底筋群を鍛えることで、尿漏れの防止に役立ちます。
では、そのトレーニングの方法を説明していきましょう。
骨盤底筋群は、速筋線維(瞬発力)が約3割、遅筋線維(持久性)が約7割です。
咳やくしゃみなどで瞬時に腹圧が上がる場合に必要とされるのは速筋線維。
一方、持続的に尿道、肛門を締め、臓器を支持する場合に必要とされるのは遅筋線維です。
また骨盤底筋群は腹部の深層筋である「腹横筋」や呼吸の主動作筋である「横隔膜」と連動しています。
骨盤底筋群は、呼気(息を吐く)で収縮し、吸気(息を吸う)で弛緩します。
この横隔膜・腹横筋の収縮(吸う)・弛緩(吐く)のリズムに合わせて骨盤底筋群を収縮・弛緩することが基本です。
- 仰向けになって膝を立てる(足を肩幅に開いて立つ)
- ゆっくりと呼吸をする
- 息を吐くときに骨盤底筋群を意識する
- 排尿・排便を我慢するときのように力を入れ、骨盤底を持ち上げる
- 息を吸うときに骨盤底筋群の力を抜く
- 最初はゆっくり(遅筋)、徐々に呼吸のスピードを上げていく
- 呼吸のスピードに合わせて骨盤底筋群の力を入れたり抜いたりする
- 骨盤をまっすぐに立て、背筋は伸ばす
- 速筋トレーニングでは、1~2秒収縮+2~4秒弛緩
- 遅筋トレーニングでは、5~10秒収縮+2~4秒弛緩
- それぞれ5セットを1日7~10セット行う
いかがでしたか?
最初は、骨盤底筋群を意識するのは難しいでしょう。
普段の呼吸やおしゃべりの途中でも自然に意識できるようになったら完成です。